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「スマトラのカロヒルで採集したジャノメチョウの仲間(1)

スマトラはこの島だけで日本全土より広い大きな島だが、北部のカロヒルという高原地帯に2018年秋と2019年には5月と9月に採集にでかけた。ここは1000mから1500mの高原地帯で、まだ開発されていない熱帯雨林も残っているところと云われている。ここで得られたチョウを紹介するのに、まず、Ypthima属のウラナミジャノメ類から始めたいと思う。日本ではこの属のチョウが同じ場所では1種のことが多く、同定が難しいいことはないが、カロヒルでは種類が多く6種を採集した。

Ypthima baldus コウラナミジャノメ:分布の広いチョウで、台湾・中国南部・インド・マレー半島からスマトラ・ボルネオにまで分布している。
ここでは裏面を示した。カロヒルでは農家の周りの藪で見られた。


Ypthima.philomelaフィロメラウラナミジャノメ:このチョウは小型のYpthimaでスマトラとシャワ・バリに産する。
これも裏面だが、前翅に1個、後翅には67個の眼状紋を持っている。



Ypthima pandocusクロウラナミジャノメ:この種は中型のYptjimaで、スマトラ・マレーシア・ボルネオ・ジャワに分布する。
写真は裏側で後翅の地色は薄く、白っぽく見える。そこに3個の眼状紋を持っている。

Ypthima fasciata クロスジウラナミジャノメこのクロスジウラナミジャノメはスマトラとマレー半島・ボルネオに分布し、大陸にはいない種類です。表面はやや茶色が濃く、裏面には3本の茶色のすじがあり、小さな眼状紋が6~7個数えられます。



Ypthima nebulosa カスミウラナミジャノメこのカスミウラナミジャノメはスマトラ特産のチョウです。はじめに示したY.baldusと同じぐらいの小型種で、裏面の眼状紋の発達の悪いものが多く、よく見ないと眼状紋が見落しやすい。カロヒル高原でも採集はされたが、多産するチョウではなかった。

Ypthima iarba クルミウラナミジャノメ、スマトラとジャワとインドから知られている。
前翅に1個、後翅に4~6個の眼状紋を持つ種類で、あまり多くないと思われ数匹採集されただけだった。