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アカエリトリバネアゲハをスマトラ、カロヒルで観察

トリバネアゲハの仲間はマルク諸島より東側のパプアニューギニアやセーラム島などに見られるが、このアカエリトリバネアゲハ(Trogonoptera brookianaは例外で、もっと西側のスマトラ・マレー・ボルネオに見られる。

 

分布範囲を次に示す。マレー半島はマレーシアとタイの南部の半島部にも分布している。

このチョウについてはマレーシアのキャメロンハイランドで集団吸水することが有名で、大津昌昭著「アカエリトリバネチョウ」1981築地書館に詳しく述べられている。だが現在ではマレーシアはこのチョウを採集禁止にして、規制が厳しいので、スマトラのカロヒルでこのチョウを探した。最初に出掛けた201811月は目撃1回で採集は出来なかったが、20195月に再度カロヒルを訪ね、ようやく手にすることができた。

 

左の写真はオス、右はメスの表面

上の図はスマトラ産のメスの裏面で全体が黒く、その中でブルーの斑紋が輝く。カロヒルの5月には、オスは熱帯雨林の脇の道路の水の流れる側溝に時々現れた。メスはオスに比べて目撃が少なく、食草のウマノスズクサ類の藪付近で、かなりの時間来るのを待ってやっと姿を確認できた。スマトラ産のものは亜種trogon に属し、マレーの亜種albescensと比べてメスの表面はあまり黒くなく、オスの斑紋に近いとされる。裏面は黒く、ブルーの斑紋が目立つ。
このチョウは年間を通して発生するとされるが、カロヒルでの出現個体数は季節によって変動があるようで、11月には5日間で目撃1のみで、9月にも目撃2個体だったが、5月には2日間で10個体以上見られた。